宇宙はいかにして誕生し、どのような進化を経て今日の姿となり、今後どのような未来を迎えるのか。これを観測データに基づいて実証的に明らかにすることが観測的宇宙論の目標である。観測的宇宙論の研究テーマは、宇宙論パラメータによって規定される(一様等方な)膨張宇宙の枠組みと、その中で起こる(非一様な)構造形成の問題があり、両者は整合的に理解されるべきものである。
我々は、可視光及び近赤外線による銀河・銀河団の観測に基づいて研究を進めている。これまでの研究テーマは、宇宙論パラメータ(ハッブル定数)と構造形成(銀河・銀河団の構造)の両分野にまたがっている。常により良質で大量の観測データを取得する事を目指してきた。そのために、利用できる既存装置を使うほか、新しい装置や設備の開発、大規模な天体画像データ処理システムのソフト開発を行ってきた。
観測グループとして、データの精度、特に系統誤差に注意を払い、データが語っているもののみを正しく捕らえ、強引に過度の解釈をすることのないように心がけている。以下の研究は大学院生を含む多くの共同研究者と行ったものである。
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